大豆は、遠い昔から食料とされてきました。
味噌や醤油を始めとする様々な加工食品も
元をただせば大豆です。
近年では、大豆成分のサプリメントも注目を集めています。
そんな、私達の生活の中に深く浸透している大豆ですが
いつ頃からあったものなのでしょう?
大豆についての様々なお話しをする前に
まずは、大豆の歴史を見ていきたいと思います。
大豆という名前の由来も併せてどうぞ♪
大豆の歴史
大豆の原産地は中国東北部からシベリアで、
発祥時期は紀元前3000年頃とされています。
日本へは、中国から朝鮮半島を伝って
縄文時代後期~弥生時代初期に入ってきたという説が一般的です。
ただ、縄文時代中期の遺跡より発掘された土器から
大豆の圧痕が見つかったということもあり
この時代には、すでに大豆の栽培が始められいたことが解っています。
また、原種であるツルマメと大豆の中間体の痕跡が
日本でも見つかっていることから、
国内で独自に栽培化された可能性も考えられています。
古い文献において、大豆に関する記述が初めて登場するのは
大宝律令(701(大宝元)年)です。
その中に、「醤(ひしお)」「豉(し・くき)」
「未醤」という記述があります。
あれ?大豆じゃぁ・・・???
と、思うかもしれませんが、
- 醤=醤油の原形
- 豉=塩辛納豆の原形
- 未醤=味噌の原形
という具合で、すべて大豆の加工食品です。
これよりも後に編纂された
古事記(712(和銅5)年)や日本書紀(720(養老4)年)には
大豆という記述を見ることが出来ます。
今より1300年以上も前から
大豆の加工が始まっていたとは驚きです。
大豆の栽培は、当初西日本に偏っていましたが、
鎌倉時代にもなると、国内で広く栽培されるようになります。
もちろん、加工技術の進歩もあって、
加工食品の種類も増えていきました。
そして今では、日本人の食生活に深く浸透し
無くてはならないものとなっています。
ちなみに・・・
米や雑穀と、味噌や醤油、豆腐といった加工品を一緒に摂るという
現在のような食生活が広く定着したのは、江戸時代のことだそうです。
名前の由来
大豆にこの名前が付いたのは、
大きな豆だからではありません。
これは、大豆より大きな豆が他にもありますから
おおよそ察しの付くところだと思います。
では、どういうところからついたのか?というと、
- 大いなる豆という意味でつけられた
- 大切な豆という意味でつけられた
という2つの由来がありました。
きっと、どちらも正解なのかもしれませんが、
気になったので、さらに調べてみました。
すると、大いなる豆の理由として
- 豆の中でも一番だったから
- 一番最初に入ってきた(一番目の)豆だから
(最初に生まれた姫君に「大姫」と名づけるのと同様)
というものがありましたが、
そうなんだぁ~・・・と思っても、どことなくしっくりきませんでした。
だって、大いなるは
「偉大な」とか「立派な」という意味なんです。
なんとなくですが、違和感を感じませんか?
一番と結びつかなくはないけれど
どことなく腑に落ちないというか・・・。
そこで「大」の意味を調べてみると
「重要である」という意味を持っていることが解りました。
大豆は古くから重要なたんぱく源でしたし
律令制度下の頃から、お米同様、租税の対象となっていました。
さらに、五穀の1つである大豆は、
お米に次いで、神事に用いられるものでもありました。
これらのことを合わせると、
生活していく上で「大切な豆」で大豆と付けたというほうが
より現実味を帯びているように感じます。
これは、あくまで個人的な推測です。
今現在、大豆が無くなったらどうでしょう?
あれもそれもこれも!!!
と、無くなってしまう食品がたくさんあります。
大豆が大切な豆であることは、
今も昔も、変わりがないようです。
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大豆の歴史その2、日本への大豆の登場/大豆の話 加藤昇
大豆の歴史/大豆のおはなし glico